こんにちは、編集長のマルオです。
今日は、私が営業の現場であえて契約を先延ばしにした、ある日の物語をお話しします。
この出来事は、私たちが「顧客第一」を本気で貫く理由を、誰よりも自分自身に刻みつけた瞬間でした。
大きな契約が目の前にあった
その日、カウンターに座ったお客様は、通信費を下げたいとご相談に来られました。
お話を伺うと、スマホと光回線、さらに周辺サービスを組み合わせた「高額なセット契約」が、条件的にはぴったり当てはまりそう。
もしその場で契約をいただければ、私の営業成績は一気に伸びる──そんな状況でした。
お客様の瞳に見えた“違和感”
条件を一つひとつ説明していくと、お客様は「なるほど」と頷きながら話を聞いてくれます。
しかし、その瞳はほんの少し泳ぎ、時折こちらの言葉を追いきれていないように見えました。
長年の接客経験から、私はそのサインを見逃しませんでした。
──これは、情報が多すぎて頭がいっぱいになっている時の表情だ。
心の中で始まった二つの声
その瞬間、私の中で二つの声がせめぎ合い始めました。
- 「今だ。この契約を取れば、数字も上がり、自分の評価も上がる」
- 「いや、このお客様は今、冷静に判断できる状態じゃない」
営業マンとしての私と、支援者としての私。
どちらも本当の私ですが、この場でどちらを選ぶかで、その後の関係はまるで違うものになります。
深呼吸の先にあった答え
一瞬の間を置き、私は深呼吸をしました。
そして、胸の奥にある「支援者としての自分」の声を選び取りました。
「お客様、この契約は本当に魅力的です。
ですが、今日のところは一度お持ち帰りいただいて、冷静に考えてみませんか?」
お客様は、少し驚いたような表情をされました。
「普通はその場で契約を勧めるんじゃないんですか?」──そう言いたげな空気が伝わります。
私は笑顔で答えました。
「私の仕事は、お客様が心から納得して選べるようにお手伝いすることなんです」
数字には残らない選択
その日は契約に至らず、成績表には何も残りませんでした。
営業マンとしては「機会損失」と言われてもおかしくない場面です。
ですが、心の奥には妙な確信がありました。
──この判断は、きっと間違っていない。
数日後の再来店
数日後、そのお客様が再び来店されました。
表情は落ち着き、迷いは消えていました。
「あの時止めてくれて、本当にありがとう。
家族とも相談して、やっぱりこの契約が一番いいって納得できました。
おかげで、最高の選択ができました」
その言葉を聞いた瞬間、胸が熱くなりました。
成績よりもはるかに価値のある「信頼」を手に入れたのです。
無理な勧誘をしないという誇り
この経験が教えてくれたのは、「誠実な店員」であることの重みです。
無理な勧誘をしない姿勢は、お客様の安心につながり、その積み重ねが長期的な信頼を築きます。
そして、その信頼は一度築ければ、一生の財産になります。
あなたへのメッセージ
もし今、誰かから「今すぐ決めて」と迫られているなら、一度立ち止まってみてください。
納得感は、時間をかけて向き合ったときにこそ生まれます。
私たちは、そのための伴走者であり続けます。
コメント
コメント一覧 (1件)
同じような経験ありますよ。
契約させられた方でしたが。